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【BigTreeメンバーインタビュー】佐賀県助産師会理事、フリー助産師の溝口明美さん

さが妊娠・子育て応援プロジェクト、通称『BigTree』に参加するメンバーに活動に取り組む想いを語っていただきました

地域に必要とされる産婆さんのような存在になりたい

助産師として臨床を20年、母校で10年間助産の教員として勤めたのを機に退職して、フリーで活動しています。佐賀県助産師会にも理事として関わりながら、poco a boccoの寺野さんとオンラインの講座を開催するなど、新しい試みを進める中でこの「Big Tree」の活動に至ります。

    

「おめでとう」と言えることに喜びを感じて続けてきた助産師

もともと父が獣医で、私も獣医になりたかったんですが、進学叶わず、看護学校に行くことにしました。産婦人科の実習ではすんなりと自分の中に入って来る感覚がありました。友達には「同じ女性として、自分の体のことに近いからじゃない?」と言われたことを覚えています。卒業後、看護師の道ではなく、養成所の助産師と保健師の資格を取れるコースへ進学しました。

実習の時点では助産は面白くもすごくハードで、まだこの時点では保健師に傾いていましたが、ご縁あって好生館に就職すると産婦人科に配属されました。そこから先輩たちの姿を見ながら、助産師の仕事にだんだんとのめり込んで行った気がします。

間もなく夜勤にも入るようになり、毎回行けばお産に当たるという感じのところから始まりました。大変でしたが、病院の中では数少ない「おめでとう」と言える場所だということに喜びを感じてもいました。
反対に現場では悲しいお産もたくさんあるけれど、やっぱりその幸せそうなところに救われてずっと続けているんだろうなと思います。

   

    

隣にいて、すぐに話ができる存在でありたい

双子、三つ子のサークル「グリンピース」のお手伝いに助産師会として入った時、赤ちゃんの体重測定をさせてもらいました。何かこういう依頼があると、つい「指導」みたいなことをするスタンスになりがちですが、いざ行ってみたらママたちのおしゃべりの中に入らせてもらって、いろんなこと言わなくていいんだなって考えさせられました。

まずは体重を測るだけ。ただ気になることや質問したいことが出てくるかもしれない。そんな時に隣にいて、すぐに話ができる存在でありたいと思いました。実際に、帝王切開のことや、傷の治り具合についてのことなどが話題に上ったので、そこでちょっとお話しさせてもらったりもしました。

   

   

   

助産師はもっと女性に寄り添える仕事

「助産師」=「お産の現場の人」というイメージが強いんですが、本当はもっと女性に寄り添える仕事だと思っています。ママたちも、育児が大変で自分のことは二の次にしてしまっているので。それを考えた時に、やっぱり病院にいるとお産の時だけしか関われないから、地域にも体のことを相談できる人の必要性を感じますね。

    

「この子が幸せにいてくれればそれでいいや」と思えたら、きっと世界が広がっていく

地域のママたちと接して、「そこまで頑張る必要ないよ。もうちょっと力抜いて育児していいじゃない」と思うこともありますね。子育てって、母親が思うやり方があって、そこに満足できないものは遠ざけたくなるもの。自分たちで何とかしようとして行き詰まっているところもあるのかなって。

でも、思い通りにならないのは当たり前で、その中で「この子が幸せにいてくれればそれでいいや」と思うと、逆にいろいろな人とのつながり、関わりがあった方が自然と幅が広がってきます。

私の場合、3人目が生まれてからは三世代での同居生活でした。最初は抵抗がありましたが、それまで前と後ろに抱っこして、手を引いて3人の子育てをしていたのが、ずいぶんと楽になりました。おじいちゃん、おばあちゃんがいる環境での子どもたちも、お年寄りに自然に接することができて、見守られていることで安心感にもつながっていったと思います。

    

グリンピース中村由美子さんと


     

地域でママの笑顔のお手伝いをしていきたい

私は、かつて地域で赤ちゃんが生まれた時から一生お付き合いしていた産婆さんのような存在になりたいです。子どもはママが笑っている顔を見るだけで安心するはず、それじゃあママがいつも笑っていられるにはどうすればいいのかなというところで、ちょっとでもお手伝いができればいいなと思って活動しています。きっと助産師会のメンバーもそういう気持ちじゃないかなと思います。